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楠部彌弌 「碌釉魚文花瓶」

2020.03.01

 

お客様より買取致しました、楠部彌弌 「碌釉魚文花瓶」

 

本日は「楠部彌弌」ついてご紹介いたします

 

楠部彌弌は、様々な技法による作品を残されています

 

その一つである碌釉(緑釉)による作品、何層にも塗られた釉薬が深みのある色を出しています

 

うっすらと浮出た魚文が特徴的です。

 

 

 

 

 

 

■~八木一艸に河村熹太郎~■

 

楠部彌弌は、京都市東山区の四男として生まれる。
父親が楠部貿易陶器工場を経営してたのもあってこの時点で既に陶器造りに縁のある環境で育ちました。

父の意向もあり市内の陶磁器試験場付属伝習所入所、

この時に同期として共に勉学に励んでいたのが後の陶芸運動にも参加していた陶芸家の八木一艸(やぎ いっこう)に河村熹太郎(かわむら きたろう)の両名にあたります。

さらに陶磁器の知識を深めることとなります。

 

■~赤土・耀々会~■

 

年月が過ぎ、陶磁器試験場付属伝習所を卒業。

父の意向に反して工場は継がず、陶芸家としての活動の意思を固め、粟田山にアトリエを構え創作陶芸に勤しむ。

著名作家である河井寛次郎、黒田辰秋、川上拙以、池田遥邨、向井潤吉らと交流を深めさらに陶芸家として刺激を受けることとなり、再び同期であった八木一艸と河村熹太郎と再会。

共に新陶芸運動「赤土」として結成、陶磁器をさらに美術性の高い美術品として昇格させるべく活動を始める。

 

大阪を中心に活動を続けていましたが、各々の活動もあってか次第に活動の幅も狭まり、本格的に活動を停止。

楠部自身はパリ万博に出品受賞するなど着々と実力と功績を残す、次第に出品活動が落ち着いた頃には改めて八木一艸らと共に新たに「耀々会」を結成。

着実に実績と功績を積み重ね、ついには帝展無鑑査として無条件に作品を出品できるまでになる。

 

■~彩埏~■

 

古陶磁や仁清などの研究に没頭する日々の中で、独自の技法を生み出すことに成功、それが彩埏(さいえん)。

彩埏は釉薬を磁土に混ぜ何度も塗り重ねることで、他にはない独特の深い色あいを生むことを可能に、そして画力にも優れていたため流れるような線で構成された文様、淡く落ち着いた色合いには気品に満ちあふれた作品が生み出されます。

 

無論、陶芸家として実験的な試みで、白磁・青磁・染付・均窯・鉄絵・色絵など様々な技法を研究していました、
ろくろの技術に秀でていたため、それぞれが見事な作品として完成度の高い作品として現在も高く評価されています。

 


 

『楠部彌弌』の作品をお持ちの方は、ひるねこ堂へ是非ご相談下さい。

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