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印籠/根付鑑定・高価買取いたします。

印籠/根付とは
印籠(いんろう)と根付(ねつけ)は、江戸時代から明治時代にかけて日本で発達した携帯装身具として、現在では国内外で高く評価される骨董品・美術工芸品です。これらは単なる実用品の枠を超えて、日本の美意識と職人技術が結集された芸術作品として、コレクターや美術愛好家から特別な注目を集めています。

印籠は、本来は印鑑と朱肉を携帯するための小さな容器でしたが、江戸時代には常備薬を入れる薬籠として普及しました。一方、根付は印籠や煙草入れ、巾着などの「提げ物」を帯から吊り下げるための留め具として機能していました。両者は紐で結ばれた一体の装身具として使用され、江戸時代の男性にとって欠かせないファッションアイテムでした。

これらの携帯用具が特別な価値を持つのは、その装飾性と芸術性にあります。印籠には蒔絵、螺鈿、象嵌、彫金などの高度な装飾技法が施され、根付には精密な彫刻が刻まれました。手のひらに収まるほど小さな空間に、職人たちは卓越した技術と美的感覚を込めて作品を仕上げました。

印籠と根付の組み合わせは、持ち主の身分、経済力、美的センスを表現する手段でもありました。武士階級から始まり、やがて町人階級にも広がったこれらの装身具は、江戸時代の「粋」の文化を象徴する存在として発達しました。

現代においては、実用性を失った後も美術品として高い評価を受け続けています。特に海外での評価は日本国内以上に高く、ヨーロッパやアメリカの主要美術館には優れた印籠・根付コレクションが所蔵されています。この国際的な評価により、現在では日本の伝統文化を代表する重要な美術工芸品として位置づけられています。

骨董品市場においても、印籠・根付は比較的安定した需要を誇る分野です。特に江戸時代から明治時代にかけての優品は希少性が高く、著名作家による作品や特殊な技法が用いられた作品には高い評価が与えられます。また、セットで残っている場合の価値はさらに高くなる傾向があります。

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当ページでは過去の買取事例から印籠/根付の詳細まで細かく記載しております。
是非、最後のページまでお読みください。

ひるねこ堂について

種類や歴史

印籠の歴史は室町時代に遡ります。中国から伝来した印籠は、当初は文字通り印鑑と朱肉を入れるための容器として使用されていました。しかし、江戸時代に入ると用途が大きく変化し、常備薬を携帯するための薬籠として発達しました。

徳川家康が薬の愛用家であったことから、武士階級に薬の携帯が奨励され、印籠文化が本格的に普及しました。初期の印籠は実用性を重視したシンプルなものでしたが、時代と共に装飾性が重視されるようになり、江戸時代中期以降には豪華な蒔絵や螺鈿細工が施された美術品へと発展しました。

印籠の構造は独特で、3段から5段の重箱状になっており、各段に異なる薬を分類して収納できるようになっています。材質は主に和紙を漆で固めたものが使われました。これは木材よりも軽量で耐久性があり、持ち運びに適していたためです。表面には漆が塗られ、蒔絵、螺鈿、象嵌、切金などの装飾が施されました。

著名な印籠作家としては、古満家の蒔絵師たち、塩見政誠、飯塚桃葉、柴田是真、原羊遊斎などが挙げられます。特に柴田是真は明治時代を代表する漆芸家として知られ、その印籠作品は現在でも最高級品として扱われています。

一方、根付の歴史は印籠とほぼ同時期に始まりました。江戸時代初期には、印籠の留め具として銅製の糸印(いといん)が使用されていましたが、角ばった形状が帯を傷めるため、次第に丸みを帯びた専用の根付が開発されました。

根付の種類は多様で、形状により「形彫根付」「饅頭根付」「鏡蓋根付」「柳左根付」などに分類されます。形彫根付は立体的に人物や動物を彫った最も一般的な形式で、饅頭根付は平たい饅頭型、鏡蓋根付は金属の蓋と木の皿を組み合わせたものです。

根付の素材も実に多彩で、黄楊、一位、黒檀などの硬木のほか、象牙、鹿角、猪牙、マンモス牙、琥珀、珊瑚、翡翠、金属、陶磁器など様々な材質が用いられました。特に象牙製の根付は最高級品とされ、精密な彫刻が施されたものは芸術品として高く評価されました。

江戸時代中期になると、根付師という専門職業が確立され、技術と芸術性の向上が著しく進みました。根付師たちは限られた空間の中に、人物、動物、植物、妖怪、物語の場面など多彩な題材を彫り込み、手のひらサイズの小宇宙を創造しました。

明治維新とともに和装から洋装への変化が始まると、印籠・根付の実用的な需要は激減しました。しかし、この頃から海外での美術的評価が高まり、主に輸出用として制作が続けられました。特に万国博覧会での展示を通じて、日本の精密工芸技術は世界に知られるようになりました。

現在では、江戸時代から明治時代にかけての優品の多くが海外に流出しており、国内に残る名品は極めて希少な存在となっています。一方で、昭和後期から平成にかけて「現代根付」運動が起こり、新しい感覚と技術による根付制作が復活しています。

鑑賞ポイント

印籠・根付の鑑賞において最も重要なのは、江戸時代に花開いた「粋」の美意識を理解することです。これらの装身具は、目立たない場所に最高の技術と美意識を込めるという、日本独特の美的価値観を体現しています。

印籠鑑賞の第一のポイントは装飾技法の巧みさです。蒔絵では、金粉や銀粉を用いた研出蒔絵、平蒔絵、高蒔絵などの技法により、繊細で美しい文様が描かれています。螺鈿では、アワビやヤコウガイの貝殻を薄く削って象嵌し、虹色に輝く神秘的な美しさを表現しています。また、象嵌技法では金や銀の異素材を嵌め込んで、コントラストの美しい装飾を施しています。

印籠の構造的な完成度も重要な鑑賞点です。3段から5段の各段が完全に密閉され、振っても音が出ないほど精密に作られた印籠は、職人の技術力の高さを示しています。また、各段の装飾が連続性を持って構成され、全体として一つの画面を構成するような作品は特に高く評価されます。

根付鑑賞では、まず「360度の美しさ」を確認することが重要です。根付は置物と異なり、どの角度から見ても完璧に仕上げられている必要があります。手に取って転がしながら鑑賞することで、作者の技術と創意工夫の全貌を理解できます。

根付特有の「ひねり」と呼ばれるデザインの工夫も重要な鑑賞ポイントです。実際の動物や人物の形をそのまま彫るのではなく、携帯に適するよう手足を巧みに折り曲げたり、複数のモチーフを組み合わせたりする技法は、根付ならではの芸術性を示しています。

紐通しの穴の位置と処理も、根付の完成度を測る重要な要素です。単純に穴を開けるのではなく、デザインに自然に溶け込むよう配置され、穴の内部まで丁寧に仕上げられているものは、作者の技術力の高さを物語ります。

両者に共通する鑑賞ポイントとして、「経年変化による味わい」があります。長年の使用により生じた「なれ」と呼ばれる使用感や変色は、単なる劣化ではなく、歴史の重みと所有者との関係性を示す貴重な要素として評価されます。

題材やモチーフの選択も重要な鑑賞要素です。四季の花鳥、古典文学の場面、吉祥文様、風俗画的な題材など、当時の人々の教養や願いが込められた図柄は、単なる装飾を超えた文化的価値を持っています。

作家の個性や流派の特徴を理解することで、より深い鑑賞が可能になります。古満派の格調高い蒔絵、塩見政誠の上品な研出蒔絵、柴田是真の革新的な技法など、それぞれの作家や流派の特色を知ることで、作品の価値をより正確に評価できます。

最後に、印籠と根付、さらに緒締めまで含めたセット全体の調和も重要な鑑賞ポイントです。各部品が統一されたテーマや美意識のもとに制作され、全体として完璧な装身具として完成している作品は、江戸時代の粋人の美的センスを現代に伝える貴重な文化遺産として特別な価値を持っています。

査定ポイント

印籠・根付の査定において最も重要な要素は、作家・銘の存在です。著名な蒔絵師や根付師による作品は、その技術力と希少性により高額査定の対象となります。印籠では柴田是真、原羊遊斎、古満巨柳、飯塚桃葉、塩見政誠などの名工による作品が特に高く評価されます。根付では明治から大正期の名工による銘入り作品が重要視されます。

時代判定は査定の基礎となる要素です。江戸時代後期から明治時代初期の作品は技術的に最も充実した時期とされ、最高の評価を受けます。この時期の作品は技法の完成度が高く、材料も良質なものが使用されているためです。大正・昭和期の作品も一定の価値がありますが、機械製造の普及により手工業品の希少性が重要な判断基準となります。

素材による価値の違いも重要な査定ポイントです。印籠では蒔絵の質、使用される金銀の品質、螺鈿の美しさなどが評価されます。根付では象牙、黄楊、一位、黒檀がよく使用されており、希少素材である琥珀、珊瑚、翡翠、マンモス牙などを使用した作品は特別な評価を受けます。

技法・装飾の精緻さは査定額を大きく左右する要因です。印籠では蒔絵の細かさと美しさ、研出蒔絵の技術的完成度、螺鈿の精密さ、象嵌の巧拙などが詳細に検討されます。根付では彫刻の細密さ、表現力、360度すべての面における完成度、「ひねり」の巧みさなどが評価対象となります。

保存状態は査定額に直接影響する重要な要素です。印籠では漆面の状態、蒔絵の剥落の有無、各段の密閉性、紐通し部分の損傷などが詳細にチェックされます。根付では彫刻の欠損、ひび割れ、虫食い、紐通し穴の状態、全体的な摩耗度などが査定対象となります。ただし、適度な使用感である「なれ」は価値を損なうものではなく、むしろ真正性の証として評価される場合もあります。

付属品の有無は査定において重要な加点要素となります。共箱(作品専用の木箱)、共布、栞(作品解説書)、鑑定書などが揃っている場合は、真贋の証明と保存状態の良さを示すため、査定額の向上が期待できます。特にセットで揃っている場合(印籠・根付・緒締め)は、セット価値として高く評価されます。

希少性・特殊性も査定に大きく影響します。現存数の少ない作家の作品、特殊な技法や素材を用いた作品、歴史的背景を持つ作品、著名人の旧蔵品などは希少価値により高額査定となる可能性があります。また、展覧会出品歴や図録掲載歴がある作品は、その格付けにより評価が向上します。

贋作・模倣品の見極めは極めて重要な査定要素です。印籠・根付は人気の高いジャンルであるため、贋作や後世の模倣品も多数存在します。技法の稚拙さ、時代にそぐわない素材の使用、不自然な古色付け、銘の書体の相違、構造的な特徴の相違などから真贋を判定し、適正な評価を行うことが求められます。

最後に、市場動向の把握も適正査定には欠かせません。国内外の骨董品市場での印籠・根付の人気度、オークション相場の推移、展覧会での注目度、研究書での評価などを総合的に勘案し、現在の市場価値を正確に判断することが必要です。専門知識と豊富な経験を持つ鑑定士による慎重な査定が、売り手・買い手双方にとって最適な結果をもたらします。

当社をご利用されたお客様

この度は弊社の出張買取をご利用いただきありがとうございます。
多くの物をお買取りできましたこと、大変喜ばしく思います。
一見すると価値がないように見えるものでも我々からすると価値があるということは往々にしてございます。 「こんなもの見せてもいいのかしら…」とお悩みになる方も多いですが、どのようなお品物でも喜んで拝見しますので、 まずは一度お気軽にご相談いただければと思います。
弊社では多くの都道府県に最低月に一度は訪問しておりますので、遠方であっても出張買取の対応が可能となります。

お客様のコメント

3歳の孫と一緒にお店に伺いました。父の趣味である掛け軸と陶器の買取依頼をしました。
初めてなので緊張しましたが、担当の方が孫が退屈にならないように笑顔で声かけして頂いて緊張もほぐれてとても良い雰囲気 になりました。また知識豊富な方のようでこの店で査定して頂いて満足しています。これからも機会があれば利用したいと思っています。

担当鑑定士からのコメント

この度はご来店いただき、誠にありがとうございます。 また、お父様の大切なお品物をご売却いただき、重ねてお礼申し上げます。
掛軸や陶磁器はどの時代のものなのか、どの作家のものなのかによって、金額が大きく異なります。 それらを特定するためには長年の経験によって裏打ちされた知識が必要となりますし、その時々の相場を把握するために国内外の相場を日々チェックしなければなりません。できる限りのご説明を差し上げましたが、ご満足いただいたようで何よりです。
弊社では単にお品物を拝見し、金額をご提示するだけでなく、 骨董品・美術品の鑑定という、なかなか体験することのない経験を良きものとして終えていただけるよう、 ご同行者様も含めて配慮いたしますので、ご安心してご利用いただけます。

お客様のコメント

引っ越し前に、父の遺品整理も兼ねて査定を依頼しました。骨董品に全く興味がなく値段の付け方も解らない私と母に、どういった物でどのような基準で値段を決めるのかを丁寧に教えて下さいました。また、初めに言っていた物に加え話してるうちに次々と思い出したかのようにタンスの奥から引っ張り出してくる母に対しても全く嫌な顔もせず最後まで親切に対応してくださ いました。
最近では沢山の買取り業者があり、私たち素人には何処が良いのかが全くわからず悩んでいましたが、ひるねこ堂さんの対応に安心し、納得して買い取って頂きました。私と同じような人が周りにいたら是非紹介させて頂きたいと思いました。

担当鑑定士からのコメント

この度は弊社の出張買取をご利用いただきありがとうございました。 お引越し前の整理のお手伝いができたようで何よりです。ご自宅の整理につきましては、実に多岐にわたるお品物を拝見することが多いので、それだけ幅広い知識が必要となります。 弊社の鑑定士は日々、知識の向上に努めておりますので、どのようなお品物でも喜んで拝見します。
もちろん、全てのお品物に精通しているわけではございませんので、必要に応じて各専門家に意見を伺います。
分からないまま買取することがないようにしておりますのでご安心してご利用くださいませ。

お電話での査定は0120-510-410まで