こんにちは、ひるねこ堂松ヶ丘店です。
このたび群馬県のお客様より中華民国の記念章をお買取りいたしました。
中華民国(1912-1949年)では1933年に勲章制度が制定され、采玉大勲章と采玉勲章が設けられました。采玉勲章には色で分かれた9つの等級が存在するなど、公的な勲章制度が整備されました。1941年には采玉勲章の他に中山勲章、卿雲勲章、景雲勲章が制定されています。
中華民国時期の記念章の素材は、金属製の本体に七宝焼き(エナメル)による彩色を施したものが主流です。七宝焼きは、ガラス質の釉薬を金属の表面に焼き付ける伝統的な装飾技法で、青(瑠璃色)、赤(朱色)、白、緑、金色などの鮮やかな色彩が特徴です。
勲章本体は銀製または銅製が多く、表面には細かな装飾が施されています。中心部には中華民国の国章や「壽」の文字、周囲には光芒を表す放射状のデザインや、桜・菊・蘭などの花卉文様が配されます。
綬(リボン)は絹製で、勲章の等級や種類によって色や縞模様が異なります。公的勲章では厳格な規定がありましたが、私的記念章では青と黄色、または青と白の組み合わせが一般的でした。
公的な勲章とは別に、中華民国時期には私的に製作される記念章も数多く存在しました。特に賀寿記念章(長寿祝いの記念メダル)は、個人や家族、団体が長寿の祝賀や功績を称えるために製作した記念品です。
これらの私的記念章は、「萬寶新製」などの製作者や製作会社の銘が刻まれることが多く、中央には「壽」(寿)の文字があしらわれています。デザインには桜の花や菊の花などの吉祥文様が用いられ、青・赤・白などの色鮮やかな七宝焼き装飾が施されています。
今回お買取りした記念章も公的なものではなく私的なものと推定されます。
青地に銀色の文字で「中華民國」の銘、中央に「壽」(寿)と篆書体で描かれてます。その周りには中華民国の国花である梅花のモチーフが装飾されています。
裏面に押された刻印は「萬寶新製」とあり製造元を表しております。