

TOP > 骨董品・美術品・買取品目 > ボーフラ/ボウフラ
ボーフラ(保富良・保宇夫良・湯瓶・湯罐・湯沸・湯銚・鳴泉)は、煎茶道における最も重要な道具の一つで、美しい煎茶の味を引き出すためのお湯を沸かす専用の器具です。その独特の丸みを帯びた形状は、まるでかぼちゃのような愛らしさを持ちながら、機能美を追求した究極の湯沸かし道具として、数百年にわたって茶人たちに愛され続けています。
ボーフラの特徴的な名称は、ポルトガル語で「かぼちゃ」を意味する「Cambodia abóbora(カンボジヤ アボーボラ)」が語源とされており、その丸い胴部の形状がかぼちゃに似ていることからこの名前が付けられました。江戸時代初期に日本に輸入された際、後半部分の「アボーボラ」が訛って「ボーフラ」となったという説が有力です。流派によって「保夫良」「保宇夫良」「湯缶」「湯瓶」「湯沸」「湯銚」「鳴泉」など様々な当て字や呼び方が存在します。
煎茶道におけるボーフラの最大の特徴は、急須との明確な機能的区別にあります。急須には茶葉を漉すための網や穴が複数ありますが、ボーフラは注ぎ口の穴が一つだけで、内側に漉し穴がありません。これは茶葉を直接入れることなく、純粋にお湯を沸かすことに特化した設計であり、茶道の釜とは異なる独自の発展を遂げた煎茶道ならではの道具です。素焼きの白泥(はくでい)で作られることが多く、金気を嫌う煎茶道の思想に基づき、お湯の味をまろやかに仕上げる重要な役割を担っています。
ひるねこ堂は、他店・他社とは違い、鑑定経験の豊富なスタッフが直接拝見・査定いたします。 なので、本来の価値をきちんと評価させていただくことが可能です。 また、ひるねこ堂では陳永興や青木木米などのボーフラ/ボウフラを買取しております。 ボーフラ/ボウフラなどの査定・買取をお考えであれば、まず、ひるねこ堂へご相談ください。
「年末年始の大掃除でボーフラ/ボウフラが見つかったがその価値が分からない...」、「先祖からの遺品や、遺産相続でボーフラ/ボウフラの整理が必要になった...」、「ボーフラ/ボウフラとはどの様なものなのか分からないので持っていても仕方がない...」など、ボーフラ/ボウフラの買取り査定に悩みを抱えている方やボーフラ/ボウフラとはどの様なものか知りたい方のお役に立てます。さらに、ひるねこ堂では、他店・他社とは違い、鑑定経験の豊富なスタッフが直接拝見・査定いたしますので、ボーフラ/ボウフラの持つ本来の価値をきちんと評価いたします。また、ひるねこ堂では陳永興や青木木米などのボーフラ/ボウフラを買取しております。ボーフラ/ボウフラなどの売却をお考えであれば、ぜひともご相談ください。
古くより家、蔵や倉庫、物置などに眠ったままのボーフラ/ボウフラなどを一点一点丁寧に鑑定士が拝見・査定いたします。「少し傷や汚れがついてしまっている...」、「いつの時代に作られた物か分からない...」、「作家名が分からない...」などどんな状態のボーフラ/ボウフラでも品物の良し悪しに関係なく買取査定をいたします。もちろん、買取査定のみの場合でもよろこんでお受けいたします。また、その場合でも査定費・出張費はいただいておりません。お持ちの品物も知らないだけで実は想像以上に価値の高いものもありますので、一点からの査定でももちろん、数種類の品物や複数お持ちのボーフラ/ボウフラがございましたら気軽にご相談ください。
それぞれが10年以上のキャリアを持つスタッフのため、金額のご提示のみならず、お品物についてできる限りご説明いたします。
多くの都道府県を最低月1回でお伺いしておりますので、出張買取もお気軽にご相談ください。 ご自宅への訪問がご不安な方でも、店舗にてお品物を拝見します。
一般のお客様のみならず、全国の同業買取店様から骨董品・美術品のお問合せをお受けしております。 同業者からも頼りにされておりますので、安心してご利用いただけます。
骨董品・美術品は日々、相場が変動しております。
いかに多くのお品物をお取扱いしているかによって、その相場を見極めることができます。最新の相場から、最適な金額のご提示が可能となります。
ボーフラの歴史は、中国から日本への煎茶文化の伝来と密接に関係しています。江戸時代初期、黄檗宗の隠元禅師によって煎茶の風習が日本にもたらされた際、ボーフラもまた貴重な煎茶道具として同時に伝来しました。中国福建省では古くから、お粥を炊いたり漢方薬を煎じたりする実用的な用途でも使用されており、その多機能性と実用性の高さが日本でも重宝された理由の一つです。
初期の日本では、中国から渡来した唐物のボーフラが最高級品として珍重されました。特に白泥の素焼きで作られた中国製のボーフラは、その軽やかな質感と美しい発色、優れた機能性で茶人たちを魅了し、現在でも骨董市場において非常に高い価値を持っています。売茶翁(ばいさおう)が愛用していたボーフラが、葛飾北斎の娘である葛飾応為によって描かれた「煎茶手引の種」(山本都竜軒著、1848年)にも登場するなど、文化的な価値も極めて高い道具として記録されています。
日本での煎茶道の普及に伴い、国内でのボーフラ製作も始まりました。当初は土質の違いにより中国製に比べて分厚く重いものが多く、渡来品と比較して価値が低く見られる傾向がありました。しかし、日本の陶工たちの技術向上により、備前焼、常滑焼、三朝焼、信楽焼など各地の特色を活かしたボーフラが制作されるようになり、現在では国産品も高く評価されています。特に素焼きのため素早く大量生産が可能であったことも、普及の一因となりました。
形状による分類では、持ち手の違いによって「上手(じょうしゅ)」と「横手(よこで)」の二種類に大別されます。上手式は薬缶のような上向きの持ち手を持ち、大型のものが多く瓶掛(小型火鉢)と組み合わせて使用されます。一方、横手式は急須のような横向きの持ち手を持ち、涼炉との組み合わせで使用されることが一般的です。興味深いことに、日本に横手急須が多いのは、このボーフラが中国から大量に輸入されていたため、その形状が原型になったという説もあります。
ボーフラの鑑賞において最も重要なポイントは、その独特の造形美と機能美の調和にあります。丸みを帯びた胴部は単なる機能的要求を超えて、見る者に安らぎと温かみを与える美的効果を持っています。特に白泥素焼きの表面に現れる微細な質感や、涼炉の直火にかけることで生まれる自然な焼き色の変化は、使い込むほどに深い味わいを増していく魅力があります。
素材の美しさは鑑賞の核心となります。真の白泥素焼きは独特の手触りと軽やかさを持ち、釉薬がかかっていない素朴な美しさが特徴です。素焼きであるため壊れやすく手入れが大変ですが、この繊細さこそがボーフラの魅力の源泉でもあります。現代では焼き締めたものや内側に釉薬を塗ったもの、凝ったデザインのものも製作されていますが、伝統的な素焼きの美しさは格別です。
注ぎ口の形状は、ボーフラの品格を決定づける重要な要素です。優れたボーフラは、注ぎ口が美しい曲線を描き、湯切れが良く、使用時の機能性と美観を両立しています。一つの穴だけという単純な構造でありながら、その形状や角度によって注ぎやすさが大きく変わるため、作り手の技術力が如実に現れる部分でもあります。
蓋と本体の合わせ目の精密さ、持ち手の取り付け角度や握りやすさも重要な鑑賞ポイントです。横手式と上手式それぞれに異なる美しさがあり、茶席での使用シーンや涼炉との組み合わせを考慮した造形の妙を楽しむことができます。胴部に施される装飾も見どころの一つで、漢詩文の彫刻、文様の透かし彫り、絵付けなどが施されたボーフラは、実用性を損なうことなく芸術的価値を高めています。
ボーフラの査定において最も重視されるのは、まず真贋の判定と産地の特定です。中国製の古渡り品(唐物)か、日本製の国産品かによって価値が大きく異なります。真正な中国製白泥素焼きのボーフラは、軽量で精巧な作りが特徴で、現在の骨董市場でも非常に高い評価を受けています。土質の違いにより、中国製は軽やかで薄手、日本製は重厚で厚手という傾向があり、これらの特徴が査定の重要な手がかりとなります。
作者・窯元の特定は査定額を大きく左右する要素です。三朝焼の谷口陶庵(陶庵三郎)、備前焼の西村春湖、京焼の青木木米(あおきもくべい)、陳永興(ちんえいこう)などの著名な陶工による作品は、その技術力と芸術性の高さから市場で高く評価されます。特に青木木米は野々村仁清、尾形乾山と共に日本三大陶工、京焼三名工に数えられる文人陶工で、煎茶道具を数多く手がけており、その作品は重要文化財に指定されるなど極めて高い価値を持ちます。共箱(作者の箱書きがある桐箱)、鑑定書、来歴を示す資料などの付属品があることで、査定額が飛躍的に向上する場合があります。特に「保冨良」「保夫良」などの当て字による銘が入ったものは希少価値が高く評価されます。
保存状態の良否は査定における決定的な判断基準です。素焼きという性質上、ボーフラは非常に壊れやすく、ひび割れ、欠け、持ち手の破損、蓋の不適合などの致命的な損傷は査定額を大幅に下げる要因となります。一方で、実用的な道具として使用による適度な味わいや色合いの変化は、むしろ価値を高める場合もあります。専門技術による適切な金直し(金継ぎ)が施されている場合は、歴史的価値を認められることもあります。
機能性の評価も重要なポイントです。注ぎ口からの湯切れの良さ、持ち手の握りやすさ、蓋の合わせ具合、全体のバランスなど、実際に煎茶道で使用した際の使い勝手も査定に影響します。特に涼炉との組み合わせを考慮したサイズバランス(一般的に高さ14~15cm、胴径11~13cm程度)のものは実用面からも人気が高く、査定額も期待できます。
希少性と美術的価値も査定に大きく影響します。特殊な技法で作られたもの、限定的な期間に制作されたもの、文献に記載のあるもの、展覧会出品歴のあるものなどは高く評価されます。胴部に施された漢詩文の彫刻や絵付けの内容、技術的完成度、さらには売茶翁ゆかりの品や著名な茶人が愛用したものなどの来歴も重要な査定要素となります。
現在の市場動向として、煎茶道の普及と和文化への関心の高まりに伴い、ボーフラの需要は安定して推移しています。特に入門者向けの実用品から収集家向けの名品まで幅広い価格帯で活発に取引されており、中国製の古渡り品や著名作家の作品は高額査定が期待できます。骨董品として売却を検討される場合は、煎茶道具専門の買取業者や中国古陶磁に詳しい専門店での査定を受けることをお勧めします。複数の業者での相見積もりを取ることで、適正な市場価値を把握することができ、満足のいく取引につながるでしょう。

この度は弊社の出張買取をご利用いただきありがとうございます。
多くの物をお買取りできましたこと、大変喜ばしく思います。
一見すると価値がないように見えるものでも我々からすると価値があるということは往々にしてございます。 「こんなもの見せてもいいのかしら…」とお悩みになる方も多いですが、どのようなお品物でも喜んで拝見しますので、 まずは一度お気軽にご相談いただければと思います。
弊社では多くの都道府県に最低月に一度は訪問しておりますので、遠方であっても出張買取の対応が可能となります。
この度はご来店いただき、誠にありがとうございます。 また、お父様の大切なお品物をご売却いただき、重ねてお礼申し上げます。
掛軸や陶磁器はどの時代のものなのか、どの作家のものなのかによって、金額が大きく異なります。 それらを特定するためには長年の経験によって裏打ちされた知識が必要となりますし、その時々の相場を把握するために国内外の相場を日々チェックしなければなりません。できる限りのご説明を差し上げましたが、ご満足いただいたようで何よりです。
弊社では単にお品物を拝見し、金額をご提示するだけでなく、 骨董品・美術品の鑑定という、なかなか体験することのない経験を良きものとして終えていただけるよう、 ご同行者様も含めて配慮いたしますので、ご安心してご利用いただけます。
引っ越し前に、父の遺品整理も兼ねて査定を依頼しました。骨董品に全く興味がなく値段の付け方も解らない私と母に、どういった物でどのような基準で値段を決めるのかを丁寧に教えて下さいました。また、初めに言っていた物に加え話してるうちに次々と思い出したかのようにタンスの奥から引っ張り出してくる母に対しても全く嫌な顔もせず最後まで親切に対応してくださ いました。
最近では沢山の買取り業者があり、私たち素人には何処が良いのかが全くわからず悩んでいましたが、ひるねこ堂さんの対応に安心し、納得して買い取って頂きました。私と同じような人が周りにいたら是非紹介させて頂きたいと思いました。
この度は弊社の出張買取をご利用いただきありがとうございました。 お引越し前の整理のお手伝いができたようで何よりです。ご自宅の整理につきましては、実に多岐にわたるお品物を拝見することが多いので、それだけ幅広い知識が必要となります。 弊社の鑑定士は日々、知識の向上に努めておりますので、どのようなお品物でも喜んで拝見します。
もちろん、全てのお品物に精通しているわけではございませんので、必要に応じて各専門家に意見を伺います。
分からないまま買取することがないようにしておりますのでご安心してご利用くださいませ。
お客様のコメント
3歳の孫と一緒にお店に伺いました。父の趣味である掛け軸と陶器の買取依頼をしました。
初めてなので緊張しましたが、担当の方が孫が退屈にならないように笑顔で声かけして頂いて緊張もほぐれてとても良い雰囲気 になりました。また知識豊富な方のようでこの店で査定して頂いて満足しています。これからも機会があれば利用したいと思っています。