TOP > 骨董品・美術品・買取品目 > 炉屏

炉屏鑑定・高価買取いたします。

炉屏(ろびょう)は、煎茶道における重要な道具の一つで、茗座(めいざ)の向こうに立てて使用する風雅な屏風です。読み方は「ろびょう」と呼び、茶を点てる人と客座との境界を美しく演出し、茶席全体の空間に奥行きと品格を与える役割を担っています。煎茶道具の中でも特に意匠性が高く、茶席の雰囲気作りには欠かせない存在として、多くの茶人に愛され続けています。
炉屏の基本的な高さは約25センチメートル程度で、手前座と客座を自然に区切りながらも、完全に遮断することなく、適度な開放感を保ちつつプライベート感を演出します。この絶妙なバランスこそが、煎茶道の精神である「自由で清風」な空間を作り出すのです。
材質や意匠にはさまざまなバリエーションがあり、それぞれが独特の美しさを持っています。竹を用いたものでは、斑竹、紋竹、黒竹などが用いられ、太さ1センチ程度の細い竹を氷裂文や雷紋などの幾何学模様に組み上げて製作されます。竹以外では、銅製のもの、杉などの木地で作られたもの、さらには紙張りのものまで存在し、それぞれが茶席に応じた趣を醸し出します。
現代の住環境において炉屏を取り入れることで、日常の空間に煎茶道の美意識と精神性を持ち込むことができます。単なる仕切りとしてではなく、空間に品格と落ち着きをもたらす美術工芸品として、また日本文化の粋を感じられる道具として、多くの愛好家に大切にされています。

鑑定経験の豊富なスタッフが直接拝見・査定

ひるねこ堂は、他店・他社とは違い、鑑定経験の豊富なスタッフが直接拝見・査定いたします。 なので、本来の価値をきちんと評価させていただくことが可能です。 また、ひるねこ堂では鈴木玩々斎や斑竹などの炉屏を買取しております。 炉屏などの査定・買取をお考えであれば、まず、ひるねこ堂へご相談ください。

炉屏「どこよりも高く買取り査定」致します!

「年末年始の大掃除で炉屏が見つかったがその価値が分からない...」、「先祖からの遺品や、遺産相続で炉屏の整理が必要になった...」、「炉屏とはどの様なものなのか分からないので持っていても仕方がない...」など、炉屏の買取り査定に悩みを抱えている方や炉屏とはどの様なものか知りたい方のお役に立てます。さらに、ひるねこ堂では、他店・他社とは違い、鑑定経験の豊富なスタッフが直接拝見・査定いたしますので、炉屏の持つ本来の価値をきちんと評価いたします。また、ひるねこ堂では鈴木玩々斎や斑竹などの炉屏を買取しております。炉屏などの売却をお考えであれば、ぜひともご相談ください。

どんな状態であっても、一点から丁寧に買取査定致します!

古くより家、蔵や倉庫、物置などに眠ったままの炉屏などを一点一点丁寧に鑑定士が拝見・査定いたします。「少し傷や汚れがついてしまっている...」、「いつの時代に作られた物か分からない...」、「作家名が分からない...」などどんな状態の炉屏でも品物の良し悪しに関係なく買取査定をいたします。もちろん、買取査定のみの場合でもよろこんでお受けいたします。また、その場合でも査定費・出張費はいただいておりません。お持ちの品物も知らないだけで実は想像以上に価値の高いものもありますので、一点からの査定でももちろん、数種類の品物や複数お持ちの炉屏がございましたら気軽にご相談ください。

当ページでは過去の買取事例から炉屏の詳細まで細かく記載しております。
是非、最後のページまでお読みください。

ひるねこ堂について

炉屏の買取実績

スラッグが設定されていません。

種類や歴史

炉屏の歴史は、日本における煎茶道の発展と密接に関わっています。煎茶道は江戸時代初期に中国から伝来した文化で、その開祖とされるのが黄檗宗の隠元隆琦禅師です。1654年に来日した隠元禅師は、京都宇治に黄檗山萬福寺を開山し、多くの中国文化を日本に伝えました。その中には釜炒り茶をはじめとする茶文化も含まれており、これが後の煎茶道の基礎となったのです。

隠元禅師から約50年後、黄檗宗の僧である高遊外(売茶翁)が登場します。本名を月海元昭といい、1675年に佐賀で生まれた売茶翁は、京都の街角で「代金は客の気持ち次第、無料でも結構」という独特の方法で煎茶を売り歩きました。この革新的な活動により、煎茶は庶民の間に広く浸透し、従来の茶道とは異なる自由で清雅な精神を持つ新しい茶道として発展していきました。

18世紀になると、茶道の世界で形式化が進むことへの反発として、文人墨客の間で「煎茶趣味」が急速に広まりました。このとき、中国文人の理想とする隠遁的な生活様式への憧れから、茶席の道具にも中国的な美意識が取り入れられるようになります。炉屏もこの時期に、中国の文人画に描かれる屏風や、明清時代の工芸品からインスピレーションを得て発展したと考えられています。

炉屏の種類は材質によって大きく分類できます。最も一般的なのは竹製で、中でも斑竹、紋竹、黒竹が多用されます。斑竹は自然の斑模様が美しく、素朴でありながら上品な印象を与えます。紋竹は規則的な模様が特徴で、より装飾的な効果を持ちます。黒竹は深い色合いが重厚感を演出し、格式の高い茶席によく用いられます。

竹の組み方にも複数の技法があり、最も代表的なのが氷裂文と雷紋です。氷裂文は氷が割れたような不規則な線の組み合わせで、自然の美しさを表現します。雷紋は雷の形を模した幾何学的な文様で、力強さと動きを感じさせます。これらの文様は中国古来の意匠で、煎茶道の中国文化への憧憬を象徴しています。

材質には特に注目すべき点があります。斑竹(はんちく)は表面に斑紋のある竹の総称で、ハンモンチクやシチクなどが含まれます。特に希少なのが虎斑竹(とらふだけ)で、これは淡竹の仲間でありながら表面に虎皮状の美しい模様が自然に現れる奇跡的な竹材です。高知県須崎市安和の限られた地域(直径1.5キロメートル圏内)でのみ成育し、他の土地では虎模様が現れない世界唯一の竹として知られています。この虎模様の原因は土中の特殊な細菌の作用とも言われていますが、科学的に完全には解明されていない神秘性もあります。

金属製の炉屏では、銅が主に用いられます。銅製の炉屏は経年変化による美しい緑青の発色が魅力で、時間の経過とともに独特の風合いを増していきます。また、木製では杉材が好まれ、木目の美しさと軽やかさが特徴です。紙張りの炉屏は軽便で持ち運びやすく、野外での茶会などに重宝されました。

近世以降、各地の煎茶道流派の発展とともに、炉屏の意匠も多様化しました。流派ごとに好みの材質や文様があり、例えば京都の流派では繊細で上品な意匠を、江戸の流派では比較的実用的で簡素な作りを好む傾向がありました。このような地域性の違いも、炉屏の豊かなバリエーションを生み出す要因となっています。

鑑賞ポイント

炉屏の鑑賞において最も重要なのは、全体のプロポーションと素材の質感です。優れた炉屏は、見る者に安定感と優雅さを同時に与える絶妙なバランスを持っています。高さと幅の比率、各パーツの太さや間隔など、細部にわたって計算された美しさが感じられるかどうかが、作品の質を判断する重要な指標となります。

竹製の炉屏では、竹材の選定から注目しましょう。良質な炉屏に使用される竹は、適度な太さと節の間隔を持ち、色合いが均一で艶があります。斑竹の場合は斑の入り方が自然で美しく、人工的な印象を与えないものが上質とされます。特に希少価値の高い虎斑竹(とらふだけ)は、高知県須崎市安和の限られた地域でのみ育つ淡竹の仲間で、表面に美しい虎皮状の模様を持ちます。この虎模様は他の土地では再現できない神秘的な特徴があり、牧野富太郎博士によって1916年に命名されました。黒竹では深い黒色に統一感があり、表面に傷や変色がないものが理想的です。

組み方の技術も鑑賞の重要なポイントです。氷裂文や雷紋などの文様が正確に組まれているか、結び目が美しく処理されているか、全体に歪みがないかなどを確認します。特に交差部分の処理は職人の技量が如実に現れる部分で、隙間や緩みがなく、しっかりと組まれているものほど価値が高くなります。

文様の意味も理解しておくと、より深い鑑賞が可能になります。氷裂文は自然の摂理と美しさを表現し、季節感では冬から春への移り変わりを象徴します。雷紋は天地の力強いエネルギーを表し、邪気を払う意味も込められています。これらの文様を見る際は、単なる装飾としてではなく、込められた精神性や季節感を感じ取ることが大切です。

銅製の炉屏では、金属の質感と経年変化の美しさに注目します。新しい銅は赤金色の輝きを持ちますが、時間の経過とともに緑青と呼ばれる美しい青緑色に変化します。この変化の過程も含めて美しさと考えるのが煎茶道の美意識です。また、錆や変色が自然で美しいか、人工的な処理の跡がないかも重要な判断基準です。

全体の作風からは製作時代や流派の特徴を読み取ることができます。江戸時代の作品は中国的な意匠が色濃く、明治以降は和風化が進む傾向があります。また、京都系の流派は繊細で優美な作風を、江戸系の流派は実用性を重視したより簡素な作風を好む傾向があります。

保存状態も鑑賞において重要な要素です。竹材の虫食いや割れ、金属部分の腐食、全体の歪みなどがないか確認します。ただし、古い作品の場合は多少の経年変化は避けられず、むしろそれが時代の重みを感じさせる要素として評価される場合もあります。

最後に、炉屏単体だけでなく、他の煎茶道具との調和も鑑賞のポイントです。茶席全体の雰囲気に合うかどうか、急須や茶碗などの他の道具との材質や色調の調和はとれているかなど、総合的な美しさを判断することが重要です。

査定ポイント

炉屏の査定において最も重要なのは、製作年代と作者の特定です。江戸時代後期から明治時代にかけて製作された古い作品ほど価値が高く、特に著名な煎茶道具師や竹工芸家による作品は非常に高い評価を受けます。中でも鈴木玩々斎(1891-1950)の作品は特に注目されており、竹芸作家として山下巧竹斎に師事し、1913年に独立後、1923年に玩々斎に改名してから浪華籃友会展、大阪工芸展などで高い評価を得ました。玩々斎の作品は非常に精緻な網目の技法で知られ、現存する作品の多くは50年から100年の時を経て美しい飴色に変化しており、大分県立美術館にも複数点が収蔵されています。作者を示す銘や印があるかどうかは査定額に大きく影響するため、底部や隠れた部分も含めて詳細に確認することが必要です。

材質による価値の違いも重要な査定要素です。竹製では、希少性の高い斑竹や紋竹を使用したものが高評価を受けます。特に虎斑竹(とらふだけ)は、高知県須崎市安和の直径1.5キロメートル圏内でしか育たない奇跡的な竹材として非常に高い価値を持ちます。この虎模様は幹に付着した寄生菌の作用によるものとされ、他の地域への移植は成功していない世界唯一の竹材です。天然の美しい斑が入った斑竹は希少で、人工的に作られた模様とは明確に価値が異なります。黒竹製でも、色の深さと均一性、表面の滑らかさなどが査定のポイントとなります。金属製では、銅の質と厚み、緑青の発色の美しさなどが評価対象です。

技術的な完成度は査定において非常に重要です。竹の組み方が正確で美しいか、結び目の処理が丁寧かどうか、全体に歪みや緩みがないかなどを詳細に検査します。特に氷裂文や雷紋などの複雑な文様は、技術力の差が顕著に現れるため、正確性と美しさの両方が求められます。手作業による微細な仕上げの差も、査定額に影響を与える重要な要素です。

保存状態は査定額を左右する決定的な要因です。竹材の虫食い、割れ、カビなどの損傷は大幅な減額要因となります。金属部分の腐食や変形も同様です。ただし、自然な経年変化による色の変化や軽微な擦れなどは、むしろ時代性を示すものとして評価される場合もあります。重要なのは、構造的な強度に影響する損傷がないかどうかです。

付属品の有無も査定に大きく影響します。共箱(作者自身が製作を証明する箱)がある場合は、真正性の証明となり査定額が大幅に向上します。また、共布(作品を包む専用の布)や栞(作品の説明書)なども価値を高める要素です。これらの付属品は、作品の来歴を示す重要な資料としても評価されます。

流派との関連性も査定において考慮されます。有名な煎茶道の流派で使用されていた道具や、宗匠から伝来した品などは、その由緒により高い評価を受けます。特に売茶翁や各流派の開祖に関連する作品は、歴史的価値も加わり非常に高額査定となる可能性があります。
市場での需要と希少性も重要な査定要素です。近年、煎茶道への関心が高まっており、特に質の高い古い道具への需要が増加しています。同時に、古い時代の優品は数が限られているため、希少性による価値上昇も見込まれます。ただし、市場価値は時代とともに変動するため、査定時点での相場を正確に把握することが重要です。

製作技法の特徴から、地域性や時代背景を読み取ることも査定に影響します。京都、江戸、大阪など、各地の特色ある技法で作られた作品は、その地域の煎茶文化の歴史を物語る貴重な資料として評価されます。また、中国からの舶来品や、中国風の意匠を取り入れた和製品なども、文化交流の歴史を示すものとして価値があります。

最後に、修復歴の有無も査定に影響します。過去に適切な修復が行われている場合は、作品の延命につながるため評価されますが、不適切な修復や後世の改変がある場合は減額要因となります。オリジナルの状態をどの程度保持しているかが、最終的な査定額を決定する重要な要素となります。

炉屏の査定・買取をお考えの方へ
当店では、煎茶道具の専門知識を持つ鑑定士が、お客様の大切な炉屏を丁寧に査定いたします。江戸時代の古作から近代の名工まで、幅広い時代・作者の作品に対応し、適正な価格での買取を行っております。

査定は無料で承っており、出張査定も可能です。他店で断られた品物や、価値が分からない品物についても、お気軽にご相談ください。お客様の大切な文化財を次の世代へとつなぐお手伝いをさせていただきます。

当社をご利用されたお客様

この度は弊社の出張買取をご利用いただきありがとうございます。
多くの物をお買取りできましたこと、大変喜ばしく思います。
一見すると価値がないように見えるものでも我々からすると価値があるということは往々にしてございます。 「こんなもの見せてもいいのかしら…」とお悩みになる方も多いですが、どのようなお品物でも喜んで拝見しますので、 まずは一度お気軽にご相談いただければと思います。
弊社では多くの都道府県に最低月に一度は訪問しておりますので、遠方であっても出張買取の対応が可能となります。

お客様のコメント

3歳の孫と一緒にお店に伺いました。父の趣味である掛け軸と陶器の買取依頼をしました。
初めてなので緊張しましたが、担当の方が孫が退屈にならないように笑顔で声かけして頂いて緊張もほぐれてとても良い雰囲気 になりました。また知識豊富な方のようでこの店で査定して頂いて満足しています。これからも機会があれば利用したいと思っています。

担当鑑定士からのコメント

この度はご来店いただき、誠にありがとうございます。 また、お父様の大切なお品物をご売却いただき、重ねてお礼申し上げます。
掛軸や陶磁器はどの時代のものなのか、どの作家のものなのかによって、金額が大きく異なります。 それらを特定するためには長年の経験によって裏打ちされた知識が必要となりますし、その時々の相場を把握するために国内外の相場を日々チェックしなければなりません。できる限りのご説明を差し上げましたが、ご満足いただいたようで何よりです。
弊社では単にお品物を拝見し、金額をご提示するだけでなく、 骨董品・美術品の鑑定という、なかなか体験することのない経験を良きものとして終えていただけるよう、 ご同行者様も含めて配慮いたしますので、ご安心してご利用いただけます。

お客様のコメント

引っ越し前に、父の遺品整理も兼ねて査定を依頼しました。骨董品に全く興味がなく値段の付け方も解らない私と母に、どういった物でどのような基準で値段を決めるのかを丁寧に教えて下さいました。また、初めに言っていた物に加え話してるうちに次々と思い出したかのようにタンスの奥から引っ張り出してくる母に対しても全く嫌な顔もせず最後まで親切に対応してくださ いました。
最近では沢山の買取り業者があり、私たち素人には何処が良いのかが全くわからず悩んでいましたが、ひるねこ堂さんの対応に安心し、納得して買い取って頂きました。私と同じような人が周りにいたら是非紹介させて頂きたいと思いました。

担当鑑定士からのコメント

この度は弊社の出張買取をご利用いただきありがとうございました。 お引越し前の整理のお手伝いができたようで何よりです。ご自宅の整理につきましては、実に多岐にわたるお品物を拝見することが多いので、それだけ幅広い知識が必要となります。 弊社の鑑定士は日々、知識の向上に努めておりますので、どのようなお品物でも喜んで拝見します。
もちろん、全てのお品物に精通しているわけではございませんので、必要に応じて各専門家に意見を伺います。
分からないまま買取することがないようにしておりますのでご安心してご利用くださいませ。

お電話での査定は0120-510-410まで