高価買取作家

前大峰

1890年　生まれる
1955年　重要無形文化財｢沈金｣の保持者に認定
1977年　逝去

1890年石川県鳳至郡に生まれました。

1907年当時輪島で、沈金佐助といわれた名工、三代目橋本佐助に師事し、

1929年第１０回帝展に「蟹と雑草文沈金丸盆」が初入選しました。

その後、第１１回帝展「遊鯰沈金彫手筥」（特選）（宮内省買上）第１３回帝展「漆器雉子沈金衣裳筥」（無鑑査）（宮内省買上）、

第１５回帝展「猫飾筥」（政府買上）、1936年新文展第１回展「秋乃野文庫」（無鑑査）（李王職御買上）、

第５回新文展「粟鶉飾筥」（無鑑査）（京都市美術館買上）等の作品で沈金家として世に出、

1941年には石川県立工業学校教授嘱託となって、後進の指導にあたった。

戦後は専ら日展で活躍し、おもな作品に1946年第２回日展「ひな鶏飾筥」（特選）、

第５回「漆器蘭と猫の図小屏風」（文部大臣賞）、1962年「猫文飾筥」（文化財保護委員会買上）があります。

また第４回、第１０回には日展審査員、第８回では参事に推薦され、

1955年には重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定されました。

1958年には日本工芸会理事となり、また皇居仮宮殿棚飾用飾筥の御用をつとめています。

1959年石川県伝統工芸展で好評を博した「沈金けはい（気配）飾筥」（通称猫文飾筥）は文化財保護委員会買上げとなりました。

輪島塗の素朴な沈金技法を新しく開拓し、平面的で品位に乏しいといわれていたその表現技術を、

豊かな芸術性高いものにしてその功績を高く評価されました。

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