高価買取作家
関根正二
1899年 福島県白河市に生まれる
1908年 上京
1915年 第2回二科展にて「死を思う日」が入選する
1918年 二科展にて 「信仰の悲しみ」が樗牛賞に選ばれる
1919年 20歳で死去
洋画家・関根正二は若くして亡くなったことと、その個性的な画風により大正期を代表する画家 として村山槐多とならび称されています。
上京し印刷会社に勤めるかたわら、15歳のころから絵画の勉学を始めました。油彩は数か月太平洋画研究所に通いはしましたが、ほとんど独学であったと言われています。1915年、甲信越地方に旅行し、長野で河野通勢に出会い強い影響を受けます。同年、二科展で入選したましたが、このとき特別出品されていた安井曾太郎の滞欧作品を見て、色彩の重要性を認識するようになります。
大正時代には、類例を見ぬほどに個性的な画家が輩出しましたが、関根正二はこの時代における天才願望的な傾向を最もよく象徴する存在であるといえるでしょう。
「信仰の悲しみ」や「三星」「少年」といった作品は、技法的には未熟な点もありますが、熱っぽく輝くような独特の色調や特異な造形による強烈な表現力は、それを補ってあまりあります。特に「信仰の悲しみ」は関根の代表作とされ、妊婦のような女性が行列するという、異常で幻想的な構成を採りながら、画面には真摯で澄明な美しさが漂っています。
原題は「楽しき国土」だったともいわれますが、関根の宗教的な熱情は一宗派の教条とは関係なく、哀楽の渾然とした独自の深さを有した彼岸を表しているとの指摘もあります。日本絵画中に類例のない、特異な生彩を放つ傑作として評価されています。
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