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中里重利「唐津盃」
2020.04.23
お客様より買取致しました、中里重利「唐津盃」。
中里 重利(なかざと しげとし)は、佐賀県唐津市出身の陶芸家
父親は人間国宝保持者である12代中里無庵、そして兄である13代中里太郎右衛門
代々唐津焼の陶芸一家として生まれ、唐津焼の技法を継ぐ一人
中里重利は粉引技法を独自に生み出し、自身の作品の特色としている。
本日は、中里によって長きにわたり引き継がれてきた技法である「唐津焼」ついてご紹介いたします。
■~唐津焼のルーツ~■
実は現在も定かではない唐津焼の開窯時期。
長年の研究により、1580年代頃ではないかと考えられています。
16世紀末には朝鮮半島から「割竹式の登り窯」、「蹴ろくろ」などの最新技術とともに渡来した陶工により、劇的に発展。
桃山時代から江戸時代初期にかけて一大産地となり、日本海や瀬戸内海の雲運を利用して、琉球や東南アジアへも運ばれました。
当時、西日本で「からつもの」といえば「やきもの」を指した程、認知されていました。
茶陶としても愛され、千利休や古田織部など、一流の茶人に好まれていました。
しかし、江戸時代中期以降に有田の磁器に押され、衰退。
長い間、唐津の藩主が将軍家や大名に贈る献上唐津を作るにとどまっていましたが、昭和になって12代中里太郎右衛門(なかざと たろうえもん)が窯跡を調査、研究。
かつて朝鮮から伝わった「叩きづくり」の技法を再現。
さらに12代太郎右衛門が人間国宝に認定されると、唐津焼の人気は再熱。
現在は70以上の窯が多彩なやきものを焼いています。
■~装飾技法~■
陶器、そのよさは土そのものの味わいを楽しめること。
古唐津の頃には採取した土をそのままこねていたため、自然の「石はぜ」が魅力となっています。
土の持ち味をいっそう活かすのが釉です、「古唐津」の釉の原料は、土灰・藁灰・長石・鉄を含んだ岩石など4種類。
「黄唐津」と「青唐津」は雑木から作る土灰釉、「斑唐津」は藁灰釉(わらばいゆう)で、焼くと白濁します。
「奥高麗」「彫唐津」「絵唐津」「無地唐津」は石英やカオリンを含んだ長石釉。
「黒唐津」は鉄釉と、さまざまな釉を使い分けることで、豊かな表情がうまれました。
また古唐津は、「絵唐津」「三島唐津」「朝鮮唐津」など幅広い装飾技法でも知られ、それらはいずれも李朝中期のもの。
朝鮮陶工たちは最新技術とともに、独特な装飾を伝えたのです。
いずれも素材な風貌ですが、自由で大らかな魅力もたたえています。
『中里重利』の作品をお持ちの方は、ひるねこ堂へ是非ご相談下さい。
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