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藤原雄「備前筒花生」

2020.04.15

 

お客様より買取致しました、備前焼の重要無形文化財の保持者である藤原雄の作品、「備前筒花生」。

 

人間国宝である藤原 雄(ふじわら ゆう)の作品。

 

生まれつき視力が悪く、左目は視力0、右目の視力も著しく悪い、そんな身体的障害をも乗り越えた陶芸家。

 

父の支えもあって備前焼を極め続け、備前焼の頂点といっても過言ではない重要無形文化財として認められ、昭和に備前焼を広めた人物でもあります。

 

備前の特徴でもある、釉薬をかけない焼き締め。

 

堅く締まった赤い土肌に炎が偶然に描き出す窯変(ようへん)の美しさが出ています。

 

本日は、藤原 雄が極めるまでに追及した「備前焼」についてご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■~ルーツ~■

始りは、平安時代に作られた須恵器をルーツとする、歴史あるやきもの、備前焼。

十分に酸素を加えて焼く酸化焔焼成(燃料が完全燃焼するだけの十分な酸素がある状態の焼き方)

によって堅く焼き締められた赤みの強い土の質感は、地味で飾り気はありませんが、日本人の好む素材な佇まいが特徴です。

 

備前焼の枯れた味わいがもてはやされるようになったのは、室町時代の終わり頃。

茶人の村田珠光(むらた じゅこう)がそれまでの武家好みの茶道から、わびさびに重点を置いた「草庵茶」を堤唱した流れによります。

以後、江戸時代初期頃まで、数々の茶陶の名品が作られるように。

その後、茶道の衰退とともに備前焼は低迷の時代を迎えますが、昭和に入って金重陶陽(かねしげ とうよう)らが、桃山時代の「古備前」を復興。

今では500人以上の作家を抱えるやきものの里となって繁栄しました。

 

■~窯変の面白さ~■

 

備前の特徴でもある茶褐色の地肌は、土に含まれる鉄瓶によるもの。

地元の田んぼの底からとれる「田土」と呼ばれる軟らかくて粒子が細かく、粘性に富んでいる土を冬の間に掘り出し、2年ほど風雪にさらした後、山土と黒土と混ぜ合わせて使用。

これを長時間焼き締めることで、特有の土味が生まれます。

窯の中の状況によって、器の素地や釉薬に「窯変」が起きて、表情に変化が現れます。

「窯変」とは釉薬の組成や含まれる金属酸化物の酸化と還元の強弱など熟成方法の違いで生まれる器肌の変化のこと。

同じ窯で同じときに焼いても、窯の中で置かれた場所の違いで、炎の当たり方や灰の降りかかり具合が変わってくるため、ひとつとして同じ模様にはなりません。

 

■~自然の美~■

 

六古窯でも多くの壷が出土して美術館で所蔵されていますが、もともと江戸時代までは生活に欠かせない実用品でした。

その鑑賞のポイントとされるのは、産地、時代、形、釉がヒントとなり、最も大切なのが安定した姿かどうか。

六古窯のような素材なものだと、自然釉のかかり方も大きな見どころになります。

天然の土を焼き締めただけの自然美の追求、これが備前焼きの完成系となります。

 


 

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