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高価買取作家

杉本健吉

1905年 名古屋市で生まれる

1923年 旧制愛知県立工業学校図案科を卒業する

1925年 岸田劉生に師事

1926年 春陽会にて「花」「静物」が初入選する

1927年 大調和展にて「幕間」が入選する

1931年 国画会展にて「秋郊」が入選する

1942年 新文展にて「博物館中央」が特選となる

1946年 日本美術展覧会にて「博物館彫刻室」が特選となる

1949年 奈良の風物を描く

1950年 「新・平家物語」挿絵を担当する

1989年 世界デザイン博覧会に陶壁を制作する

2004年 99歳で死去

 

杉本健吉は、日本の洋画家であり、 イラストレーターであり、またグラフィックデザイナーとしても活躍し、ありとあらゆる ジャンルでユニークな作品を遺しました。

洋画家として名を馳せながらも、加藤静児のアドバイスにより鉄道会社を中心とした商業用のポスターも多く手がけました。

岸田劉生の元で絵画を学んだ杉本ですが、そこでの経験と持ち前のセンスを活かした挿絵「新・平家物語」・「私本太平記」などで喝采をました。

画家としての才能を買われていた杉本健吉は観音院の古土蔵をアトリエにすることを許してもらい、奈良の風景を数多く描いています。奈良では志賀直哉、入江泰吉らと交流しました。スケッチ画を多く手がけた杉本健吉ですが、1962年に初めてヨーロッパなど海外スケッチ旅行に出ています。そこで中国スケッチ展などを名古屋で開催しています。

 

 

彼の描く作品は油彩・水彩画、ともに繊細であり豊潤な雰囲気を感じさせるものばかりです。晩期の杉本健吉の自画像は、バックを黒にし自らも白と黒のハッキリとしたストライプ柄のシャツで描き、左下の愛犬もバランス良く描かれています。なんとも心温まる作品として見るものを柔和な気持ちにさせてくれるような、作品となっているのです。

さて、そんな杉本健吉の作品も写実性に富んだ素晴らしいものも数多く存在します。「サン・ジェルマン」では高台からサンジェルマンを見下ろした風景が描かれているのですが、その具象的に描かれた絵画と雲と青空のバランスのとれた配置もどこか懐かしさを感じさせる風景画です。町並みの間に覗く樹々達の爽やかな芽吹きの印象も、杉本健吉らしい潔さを感じることができるのです。

海外旅行が大好きであったと言われる彼は、57歳の時に始まる絵の制作のために言った海外旅行で48回もの数を重ねていたといいます。

1971年に画壇(国画会)よりの引退を表明しましたが、画家としての創作は続けました。1987年、名古屋鉄道により、愛知県知多郡美浜町美浜緑苑に杉本美術館が開館しました。「絵は子どもと同じ」と言って、手放さなさずに置いていた多くの絵画がそこに収蔵されました。晩年まで毎週、同美術館に足を運び、美術館内に設けられたアトリエで、デッサンや来館者との歓談を楽しんでいました。

 

 

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