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島田章三

1933年 神奈川県横須賀市で生まれる

1957年 第31回国画会展にて「ノイローゼ」が国画賞を受賞する

1960年 東京藝術大学専攻科を修了する

1967年 安井賞を受賞する

1980年 愛知県芸術文化選奨を受賞する

    東郷青児美術館大賞を受賞する

    アメリカを旅する

1993年 紺綬褒章を受章する

    東海テレビ文化賞を受賞する

1999年 日本芸術院賞を受賞する

    芸術院会員になる

2004年 文化功労者

2009年 旭日重光章

2016年 83歳で死去

    叙正四位

 

昭和から平成に活躍した洋画家・島田章三は、鳥をテーマにした詩情あふれる作品で知られています。

幼少の頃から画家を目指し、東京芸術大学専攻科を修了しその7年後に安井賞展安井賞を受賞しています。晩年には文化功労者として国から讃えられるなど、島田章三は日本に美術界に大きく貢献してきた重要な人物のひとりです。

アールデコ様式な直線的で平面的な作風が多く、どこか冷たく機械的ながら温かみと情緒溢れる不思議な作品が多いのが特徴です。

 

島田章三が安井賞を受賞した頃の作風としては、明るくて鮮やかな色使いと構図で描かれた大胆作品がメインでしたが、徐々に画家として様々な物に出会い、そしてそれを吸収していった彼の作風はどんどん変化を見せて行き、常に芸術の前進を求めています。

最近までの作品に遍歴があるのが、アンフォルメルへの接近ンを始めとしいている20代後半に見られる自分の作風探しへの葛藤から30代半ばでの島田作品の核となるキュビズムへの出会いです。

1968年から一年間、愛知県在外研究員としてヨーロッパへ留学した際に、キュビスム系の画家の作品から大きな刺激を受けたといいます。

様々な角度で作品を作り続けていたのですが、基本的に島田章三の心の奥にある絵画への姿勢というものは変わっておらず、彼特有のクセ、個性を感じることができるのも大きな特徴のひとつといえるのではないでしょうか。

帰国後は、愛知県立芸術大学で後進の育成にあたるとともに、造形思考を根底にした「かたちびと」という言葉で表わされる独自の世界を構築しました。

 

そんな島田の作品で忘れることのできない作品が1961年に制作されている「とりたのし」です。

ここからの数年は人物や牛に鶏などを対象に描かれた作品が多く、具象的な形自体は影を潜めて、抽象的で荒々しく所々に引っ掻き傷のような、当時の迷える青年をそのまま映し出しています。

絵の具を挑戦的に支配しようとした態度が見受けられるのが特徴なのです。

しかし、島田章三はその後「結局、形からは逃げれなかった」と、キュビズム的な形を意識した作品作りに移行します。子供の頃の純粋に絵を描きたい、という基本的な感情を思い出し動き出した島田章三は生まれながらに画家であり芸術家、そして日本における美術への思想家だったのかもしれません。

身近な風景に人物を織り交ぜた再構成を得意とし、渋めの色彩、豊かなマチエルなど油彩画の特性を生かした技法で、常に現代日本洋画界をリードしてきました。

 

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