高価買取作家

鈴木信太郎

1895年　東京で生まれる

1906年　白馬会洋画研究所に入り黒田清輝に師事

1913年　東京都立八王子工業高等学校に入学する

1916年　第10回文展で「静物」が初入選する

1922年　第9回二科展で「桃と紫陽花」が初入選する

1926年　第13回二科展で「静物」「窓辺静物」「花」が樗牛賞を受賞する

1934年　第21回二科展で「桃といちぢく」などが推奨を受賞する

1955年　二科会を退会する

1960年　日本芸術院賞を受賞する

1969年　日本芸術院会員になる

1988年　文化功労者

1989年　93歳で死去

洋画家・鈴木信太郎は、色彩の豊かさから「色彩家(コロリスト)」、そして画風の親しみやすさから「親密家(アンティミスト)」と評され、昭和の画壇で活躍しました。鮮やかな色使いで、風景をはじめ、人形やアジサイ、桃といった親しみやすいモチーフを多く描きました。

1913年、八王子の府立織染学校専科に入学し織物図案を学びます。のち上京して染織図案家滝沢邦行に師事し本格的な図案家をめざしますが、文展に水彩画「静物」で初入選したことで、油絵の制作に専念するようになりました。

二科展への出品も多く、会員であった時期もありましたが、戦後には二科会を退会し、一陽会を結成して中心人物として活躍しました。

鈴木信太郎は幼少時代の頃、非常に病弱であったことから、車いすでの生活を余儀なくされた不便な生活を送っていました。しかし、そのハンデを悲しむことなく敢えて低い目線で見える景色を描き続け、独特の画策を続けました。

鈴木信太郎の風景画は非常に有名ですが、各方面で評価が高いのが人形を描いた作品郡です。素朴で可愛らしいタッチで描かれるこの人形達は何とも優しく可愛らしい顔をしており、こんな可愛い絵を描く鈴木信太郎は「童心の画家」とも呼ばれていたそうです。

その鈴木信太郎の描く作品「人形」は何とも不思議な立体感を表したユニークで可愛げのある作品です。チェック柄のようなチェアに置かれて佇む人形を描いたものですが、その独特な色合いで秩序立てられた人形の色彩感覚は目を見張るものがあります。

黄色のチェアにブルーとグリーンで配されたバックのコントラストがより一層目を楽しませ、まるでおとぎ話の中に迷いこんだような楽しさを感じることができます。

どこかうつろな表情で立っているフランス人形のような置物の優しさや、温和さも伝わり、鈴木信太郎と人間制が現れているような温かい気持ちにさせてくれる素敵な作品です。

体が不自由であり、完全にハンデを背負っての絵画人生を送ってきたのにも関わらず、奈良や長崎、北海道、そして伊豆など精力的に全国を周りにまわった鈴木信太郎。彼の行動力と描写力の素晴らしさは、他に探しようのない独特のセンスを感じさせます。日本の美術界にとって重要人物であった鈴木信太郎の残した功績は永々に讃えられるべきものなのです。

油彩や水彩画のほかに、数百を数える本の装幀やお菓子のパッケージなどの商業デザインも手がけていたり、たびたび展覧会が催され、北里研究所病院内に展示されるなど、今でも、さまざまな場面でその仕事を見かけることができます。

ひるねこ堂では鈴木信太郎の作品を高価買取しております。

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