高価買取作家
増田三男
1797年 生まれる
1860年 逝去
祐閑宮川小兵衛政一の次男長兵衛より数えて四代目が長造です。若くして青木木米に師事し、
その後東山真葛ヶ原の一角(今の円山公園南側)で窯を築き、作陶を始めました。
長造は長男の長平、二男の由太郎、四男の虎之助(初代香山)、熊二郎(二代香齋)などを指導しつつ、制作販売をしていました。
真葛ヶ原に築窯したところから、観勝寺安井門跡より「真葛」の号を賜り、
晩年「香山」と名乗り、後に長兵衛家が華頂宮博経親王(1851~1876)より「香山」の号を頂きました。
師匠の木米は煎茶道具が主ですが、長造は茶の湯道具の方が多く作っております。
仁清写しの他にも、乾山写し、祥瑞、染付、赤絵、御本手、交趾と幅広く制作しています。
轆轤の水挽きは薄く挽き、削りも薄く全体の成形はきめ細やかであり、柔らかい雰囲気で雅味に富んだものです。
型で作る香合は土を薄く型押しして、蓋も身もその内側を薄く削り残し、大変心憎い作意が感じ取れます。
釉薬は土灰と長石にわら灰を加えたものです。
この釉薬は変化し易く窯の焼成中の雰囲気によっても胎土の鉄分の多少によっても釉調が変わりますが、
下絵の鉄絵と微妙に溶け合って潤いを持っております。素地土には東山の白土、
伏見大亀谷の赤土や信楽の小石混じりの土、出石の磁器土などを作る物に合わせて使い分けをしております。
長造は仁清写しの妙手と言われていますが、
単なる写しではなく本歌(手本)の意を汲みつつ個性的に表現した姿勢を持ったことが大きな特質であります。
長造の主な箱書ですが、壮年期は「東山真葛原楽長造﹅(造)」晩年には「長造﹅」「香山長造﹅」と変化するのが特徴です。
また「模仁清」「模古染付」など、「〇〇写し」でなく「模〇〇」と書いています。
箱は粗末な桐やモミ箱が多く、それは京都が度重なる大火の為、材料の不足が原因であると思います。
作品は初代香山ほどではありませんが、海外の美術館にもコレクションがあり、ボストン美術館(アメリカ)、
モントリオール美術館(カナダ)、アシュモリアン美術館(イギリス)などに所蔵されています。
ひるねこ堂では「真葛長造」の作品を高価買取しております。
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