高価買取作家
彼末宏
1927年 東京で生まれる
1946年 北海道立小樽中学校卒業
1952年 東京美術学校を卒業する
1954年 東京芸術大学油画科の助手として働く
1957年 「CIRQUE」で国画会賞を受賞する
1958年 渡欧
1960年 国画会会友賞を受賞する
1965年 具象絵画の新たなる展開展に出品する
1980年 東京芸術大学油画科の教授になる
1991年 64歳で死去
洋画家・彼末宏は、暗色の地に明るく鮮やかな色点がきらめく独自の画風で知られています。
彼末宏が初期の頃書き残している自画像は、非常に繊細であり密度が濃い作品となっており、彼のその後の作品に通ずる片鱗を既に見せています。
代表作である「サーカスの芸人たち」などはシャガールやクレーを彷彿とさせるようなタッチで描かれており、独自の色彩感覚や構図など模索を続けてきたことが強く伺いしれる作品を多く描いています。
1958年、西欧学芸研究所より奨学金を受けて渡欧します。渡欧したフランスでは、見たものをそのまま描く具象画や画題をデフォルメした抽象画を抜け出し、自分の感情を探りながら表すというアンフォルメル芸術がとても評判だったため、彼自身は色による意識はないと後に述べておりますが、何かしらの影響を受けたことは確かといえます。
そして、1970年代以降の彼の作品は一転、黒を基調とした重厚感を感じる淡くも力強い作風に転身していきます。
そんな彼末宏の作風の違いを強く物語っている作品が「静物」です。
黒を基調とした背景に、中心にはリンゴのような果物が皿に乗っているこの作品は各方面から注目された作品です。
リンゴに見えながらも、実は一体なんのかわからない、その幻想的で不気味さも感じることのできる作品は未だに人々の想像力をかき立てる秀逸です。
しかも、一説によれば画家にしかわからないような騙し絵であるようにも言われており、彼末宏のユニークであり挑戦的な制作姿勢が見て取れます。
彼末宏の作風が変化を迎えるたのは、丁度、大阪万博が開催されている時期であり、日本という国が多いに明るい未来を想像し期待してやまない時期でした。
その時代に反するように彼の作品はグッと黒を基調にした内面的な作風に落とし込まれていくのですが、その作品の深いところには透明感と神秘的な幻想感を残しており、彼なりのメッセージを感じることができたのです。
1980年に東京芸術大学の油画科の教授となり、個展を重ねていきます。1952年に描かれた自画像を皮切りに様々な名作を残していった彼末宏ですが、シュルレアリスム風と言われていた自身は一体何を思い、そして影響されていたのでしょうか。
彼末の発想の根には抽象志向が感じられ、そこに彼末宏の近代性や新しさ、正統性があり、時代をいくら重ねようとも常に新鮮な魅力を感じさせる核となっているのです。
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